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日本紛争予防センター理事長・瀬谷ルミ子(致知2014,12月)

※これのもっと短いのを会社の朝礼でお話します

 

瀬谷(せや)ルミ子さんという方のインタビューを拝読しました。
瀬谷さんが理事長を務める日本紛争予防センターでは、紛争を未然に予防する、もしくは一度起こった地域では再発を予防する活動を行っており、現在はアフリカの国々をメインに活動されています。

瀬谷さんは、大学では国際的な学部に進学し、紛争について独学しながら、アルバイトと英語の勉強に必死だったそうです。
大学三年生の時に初めてルワンダに行き、こんなに志を持ってきたのだから、最初は自分は役に立つんじゃないかと期待していました。
しかし、現地で痛感したのは、役に立とうと思ったらスキルがいるということ。
本当に仕事としてこの道に進むなら、自分はどんなスキルが必要なのかを考えるきっかけとなりました。

と語っておられました。

仕事で心掛けていることとして、 「やらない言い訳をしない」と「できない約束はしない」の2つを挙げておられました。
そ もそも紛争予防、平和構築というと、「そんなの無理でしょう」という人が多く、そこで「難しい」と思ったら思考が停止してしまいます。百点満点を目指すの ではなく、一つ目標が達成できたとか、一年前はできなかったことがスキルを身につけたらできるようになったということがあるので、とにかく思考停止しない ように「やらない言い訳はしない」と。
一方で、やる気があってもできないことがあるのも事実です。それはいまの自分で はできないのかもしれないし、このタイミングではないのかもしれない。ただ、一度紛争や暴動で心に傷を負っている人たちが、やっと信頼しようとしてくれて いる時にその期待を裏切ってはいけないと思っていますので、「できない約束はしない」。
ということでした。

近頃つい「難しい」とか言い訳をしてしまう自分がいるなと反省させられ、一歩ずつでも前進していくことの重要性、それから人の役に立つためには、熱意とスキルの両輪か大切であることを感じさせられました。

 

個人的に、この仕事に進まれたきっかけが「どうして同じ人間なのに住む世界が180度違うのか解き明かしたいという思いだという所が好感が持てるというか、素敵だなと感じました。

瀬谷 こういう仕事をしているとマザー・テレサナイチンゲールのように慈悲深い人間じゃないかと好意的に誤解してくださる方がいるのですが(笑)、同情心や正義感ではなかったと思います。
なぜ世界はそうなっているのか、その答えを知りたい。
それを見つける仕事をしたいと思ったのです。

 

以下、印象的だった所など引用。

「紛争予防」というと「自分とは違う世界」と思われがちですが、うちのスタッフでも、システムエンジニア公認会計士、企業の総務担当などの経験を生かして活躍している人もいるんですよ。

 

 武装解除を長年やるうちに平和になるより、むしろ新しい問題を生み出しているのではと葛藤を抱くようになったのです。
紛争や内戦では圧倒的に被害者のほうが多くいますが、私たちが支援するのは加害者である兵士たちです。
これまで彼らは略奪などで生活の糧を得てきたので、自力で稼ぐ手段がなければ内戦が終わっても住民を襲ったりしてしまいます。だから職業訓練もするし、それ以前に武装解除の交換条件として恩赦を与えたり食糧を渡したりします。
しかし被害者も怪我を負ったり、全財産を失ったりしながら、大変な貧困の中を生き抜いているのです。
自分がやっていることは被害者と加害者の格差を生んでいるんじゃないかという思いが次第に大きくなっていきました。

この葛藤が加害者と被害者の信頼醗成を含めたコミュニティーの再生という、いままで誰もやったことのない新しい支援へ挑戦するきっかけになりました。

 その若者たちも程度の差こそあれ暴動の被害に遭っています。しかし彼らは「このままこの地域を犯罪者の巣窟にしたくはない」と、自発的にゴミ拾いなどを行っていました。こういうモチベーションを持っている人がスキルを身につけたら、再生の強力な力になると感じたんですね。

まず人の話を遮らずに聞くところから訓練して、一年目は大人に対する聞き取り調査。二年目は大人のように論理的に話せない子供たちに、絵を描かせたりおも ちゃで遊ばせたりしながら、心の問題の有無の調査。三年目は薬物やアルコール中毒になりかけている人たちへの心のケアができるほど成長してくれました。い までは自分たちで団体を発足させ、私たちが現地で活動する時には彼らがいないと困るくらいです。
去年、彼らの一人と現地のスラムを回った時、子供からお年寄りまでみんな親しげに彼に声を掛けてきて、完全に地域のリーダーになっていました。
また、私たちのプログラムによって心のトラウマを克服したという女性がたまたま通りかかって紹介されましたが、私たちの取り組みによって変わった彼女と、生涯このコミュニティーのために生きていくであろう若者の姿を見て、胸が熱くなる思いがしました。

日本は世界各地の紛争地に大きな影響を与えています。アフガニスタンでは「米国人や英国人に言われたらやらないが、日本人が言うなら」と信頼して兵士たちは武器を差し出してくれました。
大戦後、あそこまで破壊された日本が世界有数の経済大国に復興した姿を見て、たくさんの国々がいまはポロボロの自分たちの国も日本のようになれるのではな いかという希望を抱いています。日本が歩んできた歴史は、他国がどれだけお金を積んでも手に入れられない価値を持っているのです。

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